OJTとOff-JTの特徴と違いを知ろう
OJTとOff-JT
「OJT」とはOn the job trainingの略で、日常業務の中で教育を行うこと、「Off-JT」とはOff The Job Trainingの略で研修や講習など職場を離れて学習したり教育したりすることです。一般的に看護師の教育は日常業務の中で行われますが、業務中には学べない内容をOff-JTで学ぶことで両者のメリットやデメリットを補い合えるため、より多くの知識や技術を取得できるようになります。
プリセプターなど指導する側はOJTとOff-JT、それぞれのメリット・デメリットを踏まえ、メリットを上手く引き出しながら適切な指導計画を立てるようにしましょう。
OJTの特徴
日常業務の中で看護師に必要な能力や求められているスキルを身につけるOJTの特徴は現場教育と教育の個別性です。プリセプターシップのように1人ひとりをマンツーマンで教育する仕組みもOJTのひとつです。現場で直接指導を受けながら実践経験を積むことができるので、新人看護師にとっては心強い制度です。また、OJTは教育を受ける側のプリセプティだけでなく指導する側のプリセプターも成長できるとして多くの病院で取り入れているため、看護業界の人材育成として最もポピュラーな方法となっています。しかし、業務に必要な知識や技術しか学べず、専門的な知識を深く学ぶことはできません。
Off-JTの特徴
OJTが個別教育に優れているのに対し、Off-JTは研修や講習など集団的な教育に長けています。主に座学で専門知識を学ぶため、職場外研修と呼ぶこともあります。Off-JTでは大人数を教育するため、職場で改善したい業務の教育や組織・チームの教育に有効です。また、研修や講習で新しい知識や技術を取得できるようになりますが、同じ質の研修を受けているのでOJTのように個人差が出ることもありません。Off-JTは職場以外で行われることが多いため、人脈が広がったり精神的なリフレッシュにもなります。
OJTとOff-JTを組み合わせる
指導するためには指導者が必要です。しかし、適切な教育を一貫して行うことは難しく、指導者の指導力にもバラつきがあるため、OJTだけでは不安が残ります。そのため、厚生労働省の新人看護職員看護研修ガイドラインでもOJTとOff-JTを組み合わせて行うことが適切だとされています。
指導者のレベルにバラつきがある場合はOJTだけだと取得できる知識や技術には限界があるため、Off-JTを組み合わせてバランスよく教育していくことが大切です。個別教育だけではなく、専門的な知識や技術を指導する集団教育も併用して教育内容が均一になるようにしましょう。